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すぐそばにある孤独。 2008年
10月17日(金)




新宿区大久保地区を歩いていて見つけた張り紙です。



気になったのは下段の「直接受付の都営住宅募集」


普段なら抽選となる都営住宅が直接申し込めるということのよう。


どんな住居かと興味を持ってよく読むと…。




つまり、亡くなって数日、場合によっては数か月たって発見される「孤独死」や、
自殺者が出た部屋を別枠で募集しているというのです。


しかもその戸数がけっこうあります。



新宿区内で6戸。

都内全域だと139件もの孤独死や自殺があったということ。



もちろん孤独死が増えていることは知っていましたが、
実際にこういう形で現実を見せられるとけっこうショックです。



この文章へのリンク
http://www.totteoki.jp/negoto/negoto2008au.htm#20081017


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ノンリコースローンという地雷。 2008年
10月9日(木)




日本で、借金をして買った不動産が値下がりしてしまい、
借金が返済できなくなった場合。

買った不動産は担保として取り上げられた上に、足りない分も
さらに返さなければならない---。



これは日本人にとって借金をする際の“常識”です。


ところが米国では、借金をして買った不動産そのものを
担保として差し出してしまえば、それ以上を返済する義務は
まったくありません。また、そもそも連帯保証人も必要ありません。


これは、米国人にとっての“常識”なのです。


驚いたことに、借り手の責任の範囲が、日米ではまったく違うのです。



この米国流の融資を「ノンリコースローン(非遡及型融資)といいます。


米国の低所得者向け住宅ローン・サブプライムローンもまた、
ノンリコースローンの一種。
買った住宅の価格が下落し、ローンが払えなくなった場合、
借り手は家を手放しさえすれば借金は“チャラ”にすることができます。

一方で、貸し手である金融機関は、担保である家を取り上げ
競売にかけても、貸した金額は戻ってきません。

金融機関のほうがリスクを取るという融資そのものの仕組みが、
今回、米国の金融システムを大きく傷つけるひとつの原因になりました。



そしてこのノンリコースローン、実は日本でもこの4、5年で静かに
広がりつつありました。


利用していたのは不動産ファンド

これまで銀座や表参道などで土地を買いあさっては欧米有名ブランドの
入居するビルなどを次々と建て、都心の地価高騰の主役として
派手に儲け続けた、“巨大なカネの塊”です。


この不動産ファンドの資金の多くが、実は金融機関からの
ノンリコースローンで供給された借入金でした。


しかしファンドというものは、投資家から集めた資金が元手のはず。
それがなぜノンリコースローンという借金をわざわざしなければならないの
でしょうか。


そこには、借入金で資金を水増しすることで、
手元資金の配当を大幅に増やせるマジックがあったのです。

たとえば、あるファンドが投資家から集めた10億円を元手に、
年利3%のノンリコースローンで90億を加え、5%で運用するとします。
その場合、合計100億円の資金が生み出す年間の利益は5億円。

このうちノンリコースローンの金利分2億7000万円を返済すると、
手元には2億3000万円が残ります。これは10億円の元手からすれば
実に年率23%もの超高配当が生み出されるのです。
まさにマジック。

こうした手法はレバレッジ(テコ)と呼ばれ、とくに私募ファンドと呼ばれる
不動産ファンドではほとんどで大規模に使われてきました。


ところがいま、米国のサブプライム問題をきっかけに、内外の金融機関は
一斉に資金の引き揚げを始めています。

とくに冒頭に書いたように、金融機関にとってリスクが大きいノンリコース
ローンは真っ先に回収の対象となり、資金は一斉に引き揚げられてしまいました。

このままいけば、多くの不動産ファンドが資金繰りに行き詰まってしまうかも
しれません。そうすればまた日本に“失われた10年”がやってきます。



かつて“ハゲタカ”と呼ばれた外資系ファンドの日本進出と歩調を合わせるように、
内外の金融機関が競うように貸し出しを増やしたノンリコースローン。

これがいま、日本の不動産市場に潜む“もうひとつのサブプライム問題”
なろうとしているのかもしれません。




この文章へのリンク
http://www.totteoki.jp/negoto/negoto2008au.htm#20081009


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渦中の盲目。 2008年
10月 8日(水)




2年前、私は英会話学校に通っていました。


必要に迫られてだったので、完全なマンツーマンの短期集中コース。
わずか1か月半の間に、60万ものカネを貢いでしまいました。


その授業で、CNNニュースを見てから講師とディスカッションする、という
時間があったのですが、その時見せられた企画VTRのテーマは
「カリフォルニアの住宅の値上がり」。

当時はまだサブプライムローンのサの字も話題になることもなく、
このCNNの企画も、買った住宅が値上がりして喜んでいる人々と、
今からじゃ買えない、とぼやく人々を対比するだけのもの。
そこからは危機感というものはなにも感じられませんでした。


見終わって感想を言えといわれたので、

“こんなのはバブルだ。いずれ破綻する。”

つたない英語でこう答えました。

すると、講師はなんで?という顔をします。

“我々はこれとまったく同じことを10年以上前に経験した。
 だからわかる。アメリカもいずれ日本の経験したようになる。”

一所懸命説明しても、彼はいっこうに理解できないようす。

まあ、遠い異国・日本にまで流れて来て、
母国で身についた言葉以外に売るものが何もない連中なのですから
それ以上どう説明してもわかるはずがない、と諦めました。


しかし、いま考えると当時の米国人はみんなこうだったのでしょう。


私たちのときも、バブルの最中にはこれがいずれはじけるなんて
夢にも思っていませんでしたから、しかたのないことかもしれません。
当時、私たちは“日本はいずれ米国を抜いて世界一になる”と
固く信じていたのですから。


今回、米国がマネーゲームの果てに自業自得で沈没していくのは
いっこうにかまいません。

しかし、日本までもが米国の道連れにされているような気がするのは
どうしても納得いきません。


道連れにするのはヨーロッパだけにしてほしいものです。



この文章へのリンク
http://www.totteoki.jp/negoto/negoto2008au.htm#20081008


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はばかられる言葉。 2008年
10月 5日(日)



土建屋出身かと思ってたら、元大蔵官僚ということで驚きました。


中山成彬・国土交通大臣。


「(日教組が強いから)大分県の学力は低い」
「日教組の子供なんて成績が悪くても先生になる。」

いまの世の中の雰囲気からしてあまりにも軽率で、
不適切な発言でした。

閣僚という公人のなかの公人である以上、
公の場で口にするのははばかられる言葉というものがあります。

もし仮に、ほとんどの国民が心のなかでそう思っていたとしても、です。

国家体制の問題、核兵器からの防衛の手段、他国・他民族に対する評価…。

この国には、世界最高水準の言論の自由があると私も思っていますが、
けっこう建前で押し通さなければならない場面もまた多いのです。


そういえば、つい数年前まで
“自衛隊は軍隊である”と口にしただけで
閣僚の首が飛んでいたことを思い出しました。

戦車を持ち、戦闘機を持ち、国土防衛を任務とする組織が
軍隊でないとしたら、何だと言わせたかったのでしょうか。


いまの世の中の空気からしたら信じられないことですが、
それはれっきとしたタブーだったのです。


あ。

ということは、あと数年もすれば…。



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http://www.totteoki.jp/negoto/negoto2008au.htm#20081005


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