渋谷区神南1-7-5 ANDOSビル3F
03-3464-5894

18:00〜24:30
(日〜21:30) 月休
地図はここ

「渋谷とっておき!!」のポリシーのひとつに、
“判断は、原則2回以上行ってから”というのが
あります。

これは、たった一回でおいしいだのまずいだのと
評価することが料理人に対してすごく失礼なこと
だと思うからです。

今回、この店を取り上げるにあたって、この
“原則2回行ってから”ルールがいかに重要かを、
逆の意味で痛感することになりました。

個々の料理についてはのちに詳しく書きますが、
相変わらず素晴らしいのひとことです。
しかもコースは3,700円くらいからとリーズナブル。
ちょっとかしこまっておいしいものを、という際には
おすすめの店です。


ただ、最近になってからなのでしょうか。
この店、オペレーションがめちゃめちゃなのです。

2回目の先日、店に入ったのが夜の7時5分でした。
オードブルの2皿目が出てきたのが1時間半後。
メインの肉料理が出てきたのが2時間20分後。
デザートが出てきたのが2時間45分後。
紅茶・コーヒーが出てきたのが2時間50分後。
会計を済ませ、店を出たのがちょうど3時間後でした。

たかだか4,000円程度のプリフィクスのコースで
いったいどうすればこんなに時間がかかるのか
教えていただきたいほどの遅さです。

もちろん、混んでいれば同情の余地はあるでしょう。
しかし先にいたのは2人連れの客が3組だけ。
その後、来たのも2名だけでした。

たまたまこの日だけのことだと信じたいのですが、
店内で聞こえてきた話では、去年夏まで厨房に
立っていた主人の弟が独立し、去年暮れから
新潟のスキー場で宿を始めたとのこと。

今回のオペレーションの混乱は、もしかしたらそれが
原因なのかもしれません。


さて、料理にいきましょう。

今回、とくにおいしかったのが「牡蛎のシャンパン蒸し」。
広島湾の西部、地御前(じごぜん)という地域の海で
養殖されたものをシャンパンで蒸したものですが、
同時に頼んだ生牡蠣よりはるかにうま味が凝縮され、
その汁にパンをひたして食べるだけで幸福になれる
ほどのもの。

私も以前広島に住んでいましたから、この地御前の
牡蛎の評判は知っていますが、これほどまでに
うま味を引き出された牡蛎には出会ったことが
ありません。素材の良さが光ります。

また、カンパチを薄く切り、カルパッチョ風に仕上げた
一品もマスタードの風味が効いていて魚の生臭さが
ありません。メニューでは“お刺身”という表現ですが、
上質なサラダと言ったほうが正確な気がします。

「トリップサラダ風」もまた、上質なサラダです。
トリップ(牛のミノ)を丁寧に洗い、臭みを抜いたあとに
ソテーをしたものは断面がまるでニガウリのよう。
ミノのイメージとは裏腹に、すごくやわらかくあっさり
した味付けで、こちらがトッピングのよう。
さくさくと入っていきます。

メバルのソテーは、付け合わせの野菜までも
メバルの風味だけで全体をまとめ上げたような
統一感ある一品。ブールグランソースという
薄いバター風味のソースがかけられたもの。
これもまたチンゲン菜や里芋、細長いニンジンなど
ユニークな付け合わせがたっぷりでした。

新潟・津南豚は 表面がカラッと仕上げられていて、
コートレット風と言ったらいいでしょうか。
油で揚げたものを網で焼き、余分な油を落とした
とのことですが、肉自身がもともと脂身が多く、
塩加減がちょっときつめ。
しかし、味の濃い豚肉を堪能するにはこのくらいが
いいのかもしれません。



渋谷区役所の向かいから入る路地
チャーリーハウスの前にあるビルの3階


能生産鮮魚のサラダ仕立て(カンパチ)


広島・地御前の牡蛎
シャンパン蒸し


トリップ(牛のミノ)サラダ風


メバルのソテー
ブールグランソース



新潟・津南豚のソテー


テーブルの上には「禁煙」の札がありますが
カウンターではOKとか。…狭い店なのに。

全体的に量は非常に多め。とくに全品、かなりの量の野菜がついてきます。
いま、一回目に行ったとき(2004年11月)の料理の写真と見比べたのですが、
当時よりさらに量が増えた感じがします。

正直、いまはプリフィクスではなく単品でオードブルを数品、メインを一品とって
ワイン片手につつきあえば、気軽なデートとしてはそれで十分なんじゃないかと
いう気がします。


去年夏からの改装によって、店はすごくおしゃれになりました。
一方で、改装前はもっと気さくな、まさにビストロと呼ぶにふさわしい雰囲気の
店だったといいます。

いま、店で見る常連らしき客の雰囲気と、店の持つ雰囲気が少し違って
見えるのは、こういう成り立ちから来ているのかもしれません。

多くの常連たちに熱烈に愛されながら、新しい一歩を踏み出したこの店が、
今後どうなっていくのか。
この半年間、注目していきたいと思います。




コース:3,700円(前菜+メイン+デザート) 4,500円(前菜2品+メイン+デザート)
5,400円(前菜+魚料理+肉料理+デザート)

前菜:玉ねぎのキッシュ いろいろなお肉を使ったパテとフォアグラのムース など 1,300円
スープ:さかなのスープ 野菜のスープ 900円
魚料理:的鯛のソテー フォン ド ボーのソース ヒラメのムニエル など 2,200円
肉料理:マグレ鴨のポワレ フォアグラ風味のソース 2,500円
 牛の頬肉のビール煮 色々な野菜と共に 子牛のウィーン風カツレツ ほか 2,200円


このページのURL:
http://www.totteoki.jp/shibuya/andra.htm


2005・2