渋谷とっておき!!ホーム 新宿区
西早稲田1-9-17

10:30-19:00
日祝休

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11年ぶりにこの店を訪れた同行者(学生時代の先輩)
「やっぱりピラフミート」と言うので、この店の掟に従い
ついこないだ食べたピラフミートを泣く泣く大盛りで
食べることになりました。

この店の掟とは、“複数で来た客は、同じメニューを
注文しなければならない”
というもの。

主人ひとりで切り盛りしている店ですから、いちいち
作り分けている余裕なんかないのです。そればかりか
先に注文した客がいれば、その客の注文したメニュー
に合わせるよう“さりげなく命令”されることも。

この掟はかつて早稲田通りにあった定食屋「珍味」
“学生が頼めるのは「茄子」「唐揚げ」だけ”と共通する
理不尽さ。まあ、社会に出るともっと多くの理不尽が
あることを知るわけですが。

しかしそれにしても量が多く、安い店です。

「ピラフミート」とは、スパゲッティミートソースとピラフ
(実際はミックスベジタブル入り炒飯)がひとつの皿に
相盛りとなったもので、実質2人前で550円。正直、
これだけでも十分な量でしかも炭水化物祭りです。

これに100円プラスの大盛りならなんと量が2倍。
炭水化物のサンバカーニヴァルになってしまいます。
今回ネタとして食べてみましたが、炭水化物で胸焼け
と胃もたれを経験したのは初めてです。

ただ、味そのものはとてもやさしく、塩辛かったり
激辛だったり油ギトギトだったりはしません。
そこは昔ながらの店ならではの正直な商売であり、
昨今のラーメン屋・つけ麺屋の不健康な味・あざとい
商売ぶりとは対極にあると言えるかもしれません。

ところでこの店の歴史ですが、いまでこそ
「ワセメシ」(=早稲田界隈の学生向け飯屋)の代表格として
ガイドブックなどにも取り上げられていますが、以前は
高田馬場の駅前の雑居ビルの地下にありました。

大相撲の元横綱・輪島大士さんにそっくりだった
主人が、常にぶつぶつ何かを呟きながら料理を作る
姿があまりにも印象的だったため、我々の仲間では
「輪島の店」と呼ばれ親しまれていました。

メニューは当時から変わっていない気がします。
主人も年はとったもののほとんど変わっていません。
ぶつぶつ何かを呟きながら鍋を振る姿は、一種の
伝統芸能、まるで民俗無形文化財のようです。

そして特徴はなんといってもその独創的なメニュー。
「カルボ」の名で親しまれている「カルボナーラ」はその
“似て非なるものっぷり”が見事です。

なにしろ、ハムと玉ねぎとわずかなピーマンをスパ
ゲッティとともに炒め、同時にフライパンに流し込んだ
溶き卵で作った玉子焼きを添えてできあがり。皿に
盛ってから仕上げに粉チーズが振りかけられます。

そう、材料は決して間違っていないのです。
間違っていないけれども“似て非なるもの”を作って
しまう主人の才能はむしろ非凡なのかもしれません。

そもそもの間違いは、「カルボナーラ」だと思うから。
これは「カルボ」。あくまで「カルボ」。「カルボ」という
新種の料理だと思えば何も疑問はわきません。

とんかつだってオムライスだってナポリタンだって
結局は立派な “創作料理” なのですから。


とにかく、数十年にわたってぶつぶつ言いながら鍋を
振り続けてきた主人の料理は、きょうもまた学生の
空腹を満たし、その活力を支え続けています。

なぜあんなに食えたのかわからない学生時代を
思い出したくなったら、ぜひここに来てみてください。

まずは普通盛りから。



「ピラフミート」大盛り
見よこの炭水化物のサンバカーニバル


「ピラフミート」普通盛り


「ピラフミート」大盛り
比べると皿のなかの専有面積と立体感から
量が2倍であることがわかるであろうか


グランド坂のいちばん麓に
ほとんど装飾もなくひっそりと


常になにかを呟きながら
鍋を振る主人(撮影許可済み)


通称「カルボ」
本家の「カルボナーラ」とは似て非なるもの


カルボナーラだと思うからいけない
「カルボ」という名の新種の料理




ポークカレー 400円 ミートソース 400円 ナポリタン 400円
カルボナーラ 480円 ピラフミート 550円 ドライカレー 450円 オムライス 480円
ハンバーグ(ピラフ付) 650円 ポーク生姜焼(ピラフ付) 650円



このページのURL:
http://www.totteoki.jp/shibuya/elm.htm


2013・11