渋谷区神山町10-14
03-3465-6850

17:30〜24:00
土日休
(土は予約があれば営業)
地図はここ

かつて“あいのり”という、サバと鮭が同時に味わえる
定食があった和食の店、「潮」
豚肉を卵でとじ、イクラの醤油漬をたっぷりかけた
ユニークな“他人丼”もあったこの店が閉店してから、
もう一年になるでしょうか。

消えたと思っていた「潮」はいつのまにか姿を変え、
「縁」という名の店となって生きていました。

場所は、地下を宇田川が流れる細い路地。
「ヴァンボー」の三軒隣にある、シックに改装した
民家がその場所です。
通りに面した壁一面は深い紺色に塗られ、内部に
つながるのはスリット状のガラスがついたドアだけ。
「ヴァンボー」同様、入るにはかなり勇気がいる造り
です。

しかし、一歩店内に足を踏み入れると、広がるのは
狭いながらも温かな空間。一階は3つのテーブル席と
厨房、さらに二階にも座敷がありますが、全体的に
こじんまりとしたつくりの店となっています。

「縁」になり、一番大きく変わったのはメニューです。
それまでは普通の店と同様、焼き物から刺身から
煮物まで様々なメニューがあったのですが、「縁」に
なってからは昼は刺身と焼魚の二種類の定食のみ。
夜もまた、2,500円・5,000円・7,000円の三種類の
おまかせのコースに絞り込んでいます。

こうすることで仕入れる材料を絞り込み、無駄な
在庫を持たなくて済みますから、経営としては非常に
楽になります。なおかつ客に提供する料理の質も
上げることができますから、一石二鳥と言えるでしょう。
ただ一方で、客は“選ぶ自由”を奪われるわけで、
それでも納得できるだけの料理を出し続けなければ
ならないという危険なスタイルなのです。

今回食べたのは1,200円のランチ二種類。
(注:2008年3月現在、ランチの営業はしていません)

焼魚の定食は三種類の魚がメインで、最初に行った
日はアジの一夜干しとつぼ鯛味噌漬け、それにぶり
柚庵漬。柚庵漬とは柚子に醤油、みりん、日本酒を
合わせたもので漬け込んだものですが、このぶりの
柚庵漬はそれを紙に包んで焼いてあり、紙を破ると
ふわっと立ちのぼる香りがなんともいえずいいもの。

つぼ鯛味噌漬けも甘辛さが上品で、アジの塩焼きも
また小さいながらいい焼き加減。少量ではありますが
三種の味を楽しめて1,200円はじゅうぶん納得のいく
ものでした。

そして、別の日の刺身定食はまぐろ、め鯛、とり貝の
盛り合わせ。しっとりと柔らかいまぐろは鮮度がよく、
魚をよく知った上で欲張らずに揃えたという感じで
とても好感がもてました。

ごはんはおひつに入って提供され、お茶碗2杯半程度。
それに小鉢とお新香、味噌汁とデザートが付きます。
ごはんこそ多いものの、おいしいものをちょっとずつ、
というスタイルですから女性やちょっと年齢層高めの
人々にはぴったりでしょう。

ただ、ひとつだけ苦言を呈するならば、ごはんに
モチ米をブレンドするのはいかがなものかと思います。
これは、品質の高くない米の食感をよくする一種の
テクニックなのですが、わかる人にとっては興ざめ。
たしかにおひつに入れてたくさん提供するぶん、
コストに敏感になるのもわかりますが。

私が食べたのはまだランチだけですが、この感じなら
夜も相当のものが間違いなく味わえるでしょう。
これからもずっと頑張っていってほしい店です。





民家を改装したシックな外観
ちょっと入り辛いか




この日の焼魚定食は、あじ一夜干しと
つぼ鯛味噌漬とぶり柚庵漬の三品


紙にくるまれて焼かれた
ぶり柚庵漬



デザートはリンゴのシロップ煮
あまり甘くなく素材の味が生きている



別の日の刺身定食
まぐろ・め鯛・とり貝



【追記】
この店の夜のコースを食べることができました。

 

 



私が仕切ったわけじゃないのではっきりとはわかりませんが、
予算は料理だけで4,500円ほどだったようです。

かなり手の込んだいい料理ばかりでした。
みなさんの参考に、写真だけ載せておきます。(2006・5)


【ランチ】 刺身定食 焼魚定食 各1,200円

おつまみコース 2,500円 おまかせコース 5,000円 おすすめコース 7,000円



このページのURL:
http://www.totteoki.jp/shibuya/en.htm


2006・1