那覇市辻2-5-7
098-868-4487

10:00〜23:30
無休
地図はここ


かつて、沖縄といえばステーキ、という時代がありました。

日本本土からの観光客は、沖縄のほかの料理など見向きもせず、
真っ先にステーキハウスに向かったといいます。



写真はこの店のテンダーロインステーキのL。
300gは優にあろうかというこの肉の塊は、
ごはんとスープ、サラダがついて1,500円。

昔ながらの安いステーキが、ここには残っています。


日本の敗戦後、沖縄は米国統治領として切り離され、
「琉球化」の美名のもとに米国の都合のいいように
「アメリカ化」が推し進められていきました。

なかでも「アメリカ化」が顕著だったのが食生活です。

まず米軍兵士相手のレストランに始まり、ステーキなど
牛肉の文化が沖縄の人々の間にも広まっていきます。
そして米軍の放出品や兵士の横流しによってポーク、
つまり「チューリップ印」や「スパム」などのランチョン
ミートの缶詰などが普及、現在の沖縄郷土料理が
形作られていきます。

たとえばポーク玉子やゴーヤチャンプルなどは米国
統治下の時代に形作られ、広まったもの。本来の
沖縄料理とは違うものなのです。

そうした沖縄のアメリカナイズされた食生活の中心が、
ステーキだったと言えるでしょう。

日本への返還後も、激変緩和措置によって牛肉の
関税は低く抑えられたため、沖縄では安い牛肉が
流通。それが冒頭の「沖縄といえばステーキ」を
形作ったのです。

この店のある「辻」はかつて遊廓があった場所で、
戦後も大きな繁華街だったところ。かつてたくさんの
ステーキ屋が並んでいたと言いますが、いまは多くが
もっと観光客が集まる国際通り周辺に移転してしまい、
ここで昔ながらの値段でステーキを出す店はほとんど
なくなってしまいました。

そういう意味では、ここは「時間から取り残された店」。

店内には、ちょっとチープな長椅子が並ぶかたわらに
座敷があり、天井近くにはネオンの星条旗。
この店の内装も外装も、たぶん返還前からさほど
大きくは変わっていないのでしょう
いや、変わらないからこそ、いまこの値段でやって
いけていると言えるのでしょう。

ステーキは外国産牛とは思えないほどとても柔らかく
下味もとても薄味。自分でソースをかけたりして好みの
味にできるので、思いのほか簡単に平らげることが
できました。

ただ、簡単に平らげることができると、さらにたくさん
食べたいと思うのが人情。
このボリュームで1,500円ならば、肉の質が高いか
量がもうちょっとあるかの選択肢がほしい気がします
が、残念ながらそういうメニューの用意がありません。

いや、唯一「ジャンボステーキ」(3,200円)というのが
あるにはあるのですが、壁の「世界一大きなステーキ」
という文字からするととんでもない量のステーキの
ようで、おいそれとは頼めません。

極端でない、2,000円程度のちょっと上のステーキの
登場が待たれるところです。

とにかく、沖縄で安くたくさんモリモリと食べたくなったら
この店へ。けっして店はきれいでなくても、絶対後悔は
させませんから。




上の写真と同じテンダーロイン
ミディアムレアだとこんなに違う


セットに付くコーンポタージュとサラダ


時間が止まったかのような店内
座敷があるところが沖縄的というか


歴史を感じさせる外観
沖縄の建物は東南アジア的


安さが際立つメニューばかり



テンダーロインステーキ L 1,500円 M1,300円 S1,000円 ジャンボステーキ 3,200円
ニューヨークステーキ L1,200円 M900円
ハンバーグステーキ 800円 トンカツ 800円



このページのURL:
http://www.totteoki.jp/shibuya/kinmatsu.htm


2005・5