新宿区西早稲田
3-29-5
03-3203-2322

日休
地図はここ


カウンターに座るのは近所の老人。経営していた店を息子に任せ隠居の身。
90を超えてなお毎日のように店に来て、ほんの少しの酒を飲んで帰ります。

この光景が、店に流れる空気と時間をすべて表現しているような気がします。



高田馬場から早稲田通りを東に歩き、明治通りと
ぶつかったら横断歩道を渡ってから左へ。
ここに、古い木造の店が軒を連ねています。

その一軒、「大衆酒場」と銘打った小さな店。
このところの雨続きで格子戸などの建具が膨張して
なかなか開かなくなっていたのを、私は閉店かと
思い一度引き返してしまいました。
しかし、私の“嗅覚”がそれを引き止め、どうしても
入れと命令したのです。それは「当たり」でした。

店内は上の写真のとおり、8席ほどのカウンターが
あるだけの非常に小さな店。なにかのきっかけが
なければ普通は入らないような、そんな古ぼけた
店です。

店を守るのは朴訥とした雰囲気の主人と奥さん。
開店は15年ほど前だといいますから、以前別の店が
入っていた場所の居抜きでしょう。ずっと昔から、
すべてがここにあったかのような雰囲気です。

しかしこの店、古ぼけた外観からは意外なほど
料理がいいのです。

とくに魚。

最初に訪れた際に食べたコハダの美しさと、酢での
しめ加減のよさ。そして少し肉厚に切られた平目の
ほのかな甘さと歯ごたえのよさが印象的でした。

またその際、「あじずし」をお土産に握ってもらったの
ですが、これもまた身の真ん中に切れ目を入れて
生姜をはさむなど、丁寧な作りの上質なものでした。
シャリがほんの少々大きめでしたが、お土産用として
わざわざ大きめに握ったのかもしれません。

また二回目に食べたホッキ貝の刺身も新鮮でした。
かつて私がよく行っていた北海道の日高地方では、
海が荒れた翌朝に浜に行くとホッキ貝が波打ち際で
拾えたりするのですが、そうして食べたホッキ貝と
あまり遜色がないものでした。
これを650円で出していることはなかなかの驚きです。

今回もお土産に「あじずし」を、と思ったのですが、
アジがいいのが入っていないとのことで代わりに
しまあじを握ってくれました。これもまた丁寧な作りで
味も上品でした。


酒の品揃えが悪いのがちょっと残念ではありますが、
いい魚をつまみ、ひとりでゆっくりと酒を傾けるという
ひそやかな楽しみを味わえる、そんなお店です。


年齢を重ね、深みのある人間になればなるほど、
この店の良さはわかるのかもしれません。




古い木造の店が並ぶ一角


コハダと平目の刺身


土産に握ってもらったあじずし

二回目に土産に握ってもらった
しまあじの寿司



酒盗


平目刺身 850円 こはだ酢 650円 ホッキ貝刺身 650円 三枚肉の揚煮 550円
あじずし 1,000円 すじこ粕漬け 550円 かつおさしみ 750円
和風コロッケ 600円 厚焼き卵 500円
たる酒 600円 浦霞 大850円 小650円



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2006・7