渋谷とっておき!!ホーム 新宿区早稲田鶴巻町
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03-3202-4404

11:30〜13:00(土日除く)
17:30〜20:30
水・第三火休

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【夜は要予約です】

どうしてこんなところに、という場所にある
すばらしい和食の店。

早稲田大学正門から東に歩いて10分ほど。

民家に混じって印刷関係の小さな工場が建ち並ぶ
昔ながらの下町。大きな通りに面してはいるものの、
周囲に合わせるかのような控えめな雰囲気の店です。

この店を代表する一品
鰹のスモーク




下の写真14枚は、この店の10,000円のコースのもの。


上の写真は左から、枝豆の茶碗蒸し、鰯。
右端の写真は貝柱、鴨、百合根と茶豆、マイクロトマトとキュウリのあえ物が乗った一皿。

とくに最初の魚が鰯、というのが粋です。塩加減が絶妙で、鰯の香りが引き立っています。
ただならぬ腕前を感じさせる一品でした。


左から鰹のスモーク、石鯛に湯葉の燻製、お碗が鱧と魚の素麺に紫芋。

鰹のスモークの香りに驚きました。藁で一気にたたきにしたものを、軽く燻製にした
ものでしょうか。鮮度を失わずそれでいて香りがしっかりついているのは絶妙です。


左から向付のお造り、豚の角煮、稚鮎。
お造りはみないい素材を使っていましたが、マグロの中トロはとくに素晴らしいものでした。
このマグロはそう簡単には手に入らないものでしょう。

ただ一方で、今回唯一理解できなかったのが写真中央の「角煮」。
なぜかソースのような味がするのです。意外性はあるにしても豚肉にソース味では
流れのなかでも違和感がありました。


茄子の揚げだし、魚(たしか穴子)のフレンチ風、ズッキーニのしんじょう。

大きなズッキーニの輪切りに魚のすり身を乗せて、しんじょうにするという発想。
これは並みの料理人では思いつかない組み合わせでしょう。
冬瓜でもなく、茄子でもなくズッキーニを選んだその感覚は素晴らしいの一言です。


よしえびの天丼と、デザートの無花果、プラム(ソルダム?)、さくらんぼ。

かわいらしい海老天が三つ葉を散らしたご飯に乗った天丼は上品な塩味ベース。
ちょうど手が空いたのでしょう、ご主人が出てきて
「このヨシエビは天然もので貴重なものなんですよ」と強調します。
その無邪気な笑顔には“客を喜ばせたい”という気持ちがあふれていました。

器の数にして14。

すさまじい数でありながら、それぞれに趣向を凝らした一品一品は驚きの連続。
ここまで手を尽くした料理が10,000円ならば、私はすばらしく安いと思います。




ただ、これほどの料理を出す店はどんな店かというと、
店内の調度はとくに豪華ではなく、少々くたびれ気味…
と言ったら失礼でしょうが、とにかく普通の割烹風。

しかしそれは、店の見た目なんかよりも、料理の素材と
手間に惜しみなくコストをかける姿勢の表れであり、
これこそが松下の松下たるゆえんなのでしょう。


さらに驚いたことにランチタイムも営業。

これだけ凝った品々を出す店なのですから、仕込みは
午前中からやっているはずなのですが、その一方で
ランチタイムも営業しているのです。

提供するのは1,050円の日替わり定食のみですが、
これがまたお得感あふれるすばらしいものなのです。

私が行った日のランチは、鰹のぬたとかぼちゃの煮物、
それにアジフライがメインでデザートがつく定食。

ぬたといえば普通、イカなどが使われますが、
鰹を使うところが斬新。どんな味かと口に入れると
一瞬、かすかではありますが鮮烈な血の匂いが
口のなかを刺激し、それを包むようにして酢味噌と
身のうま味が広がっていきます。まさに赤身ならではの
ぬたといった感じでした。

アジフライは普通のものよりもさらにカリッとした感じ。
けっして大きくはありませんが、素材のよさがわかる
一品でした。

デザートもまたリンゴに洋酒の風味が効いたゼリーを
まとわせたもので、簡素でありながらおいしくまとめ
あげられていました。
ここまでで1,050円とは信じられないほどの丁寧さです。


このすばらしい和食の店を、もしランチだけで評価する
のであれば、それはとても愚かなことでしょう。
しかしランチだけでもこの店の技の片鱗はじゅうぶん
うかがえると思います。


とにかく一度、まずは夜に。




店内は簡素で、割烹といった雰囲気


日替わりのランチ


アジフライは肉厚でカリカリ


デザートも手抜きない

いわゆる接待に使うのではなく、みずからの楽しみのために自腹で来てこそ
素晴らしさがわかる店です。

そのゆとりがあるならば、決して後悔をすることはないでしょう。




コース【要予約】 8,000円 10,000円 13,000円

【ランチ】 日替わり 1,050円



このページのURL:
http://www.totteoki.jp/shibuya/matsushita.htm


2007・7