千代田区
神田須田町2-12-3

03-3251-6321

17:00〜22:00
(土〜21:00) 日祝休
地図はここ

山手線のガード下。煙モウモウの焼鳥屋と“ホッピー”が似合いそうな場末に、
驚くほど洗練された味のおでんがありました。

10人ほどのカウンターと、二階に小さな座敷があるだけのごく普通の店構え。
しかし、出されるおでんが並大抵のものではありません。
まず一番驚いたのは白子。白子独特のえぐ味というか、
喉の奥にいがらっぽく絡まるあの味がまったく消えてしまっていて、
おいしさだけがきちんと残っているさまは不思議のひとことです。
このほかにも「鮪と葱」という串も、まぐろの生臭さはかけらも残らず、
うま味だけがしっかりと自己主張を重ねていました。

この秘密は、だしにあります。
関西風よりもさらに薄味なのに、素材の癖を消し本当の味を引き出すだし。
このだしの魔法にかかると、単に巻いただけのキャベツが主役になり、
なんの変哲もないシラタキすら立派な一品に躍り出るのです。
また、車海老のすり身を詰めたという椎茸の揚げ物など自家製のタネも秀逸で、
そこらへんの練り物だらけのおでんとはまったく別の料理と言っていいでしょう。

最後はぜひ“かけめし”を。
ほかの店なら、こんなものを頼もうなら張り倒されるかも、というような
贅沢なこの一品がどんなものか、ここではあえて触れません。
どうぞ自分の目と舌で確かめてください。

ジャズが静かに響く店内に、ちょっとシャイな白髪のご主人。
時折響くガタンゴトンという列車の音ですら心地よいBGMとしてとけ込んでいく
この“小さな宝石”でのゆったりとした時間を、ぜひ楽しんでみてください。



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