渋谷とっておき!!ホーム 台東区浅草5-21-7
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月休


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メンチカツがおいしい、とのことで連れてこられたの
ですが、私の目を釘付けにしたのは「スタミナ豆腐」
という赤い一品でした。

それは、まごうことなき「からし焼き」。

北区十条だけのローカルB級グルメとして知られる
「からし焼き」と寸分違わぬ姿がそこにあったのです。

豆腐と豚バラ肉を真っ赤な辛いタレで炒め、キュウリ
の細切りをトッピング。そして味もまったく同じ。
ちょうど数日前に十条の「大番」のからし焼きを
食べたばかりですから断言できます。

これまで“十条だけのローカルメニュー”とされて
きた「からし焼き」が、突如10キロ近く離れた浅草の
はずれに出現したのです。

この店があるのは、浅草の北。
東武やメトロの浅草駅から北に歩いて15分ほど。
浅草寺を越え、かなり吉原に近づいたな、という
ちょっとさびしい雰囲気の場所にあります。

名物はメンチカツ。たしかにキツネ色にこんがりと
揚がった丸いメンチカツはとってもジューシーで、
そのままかぶりつくとじゅわっとあふれんばかりの
肉汁が口の中に広がります。

食べログでもほとんどの人が最初からメンチカツを
目的に訪れているようで、メンチカツへの高い評価
は並ぶものの、壁にかかったたくさんのメニューは
あまり食べてこなかったよう。

なかでも「スタミナ豆腐」は一切触れられず、写真
1枚たりとも掲載されていませんでしたから、まさに
ノーケアだったのでしょう。
食における大発見がずっと見逃されてきたのです。

しかし問題は、十条にしか存在しないとされてきた
「からし焼き」が、なぜ遠く離れた浅草にぽつんと
存在しているのか。

それは、この料理がもともと東京全体に広く存在した
からではないかと思うのです。

以前、十条の「大番」でからし焼きを食べたとき、
私はひとつの仮説を立てていました。つまりこれは、
“見よう見まねで作った麻婆豆腐”なのではないかと。

からし焼きが十条で誕生したのは昭和40年とのこと。
当時、まだ中華料理といえばラーメンや餃子、
せいぜい酢豚くらいしか一般の人々には馴染みが
なかった時代に、“豆腐と肉を使った赤くて辛くて
うまい料理があるらしい” との噂から試行錯誤の
末にできあがったのがこの料理ではないかと思う
のです。

こうして新たに誕生した “妄想チューカ料理” は、
下町を中心に広がったものの、やがて“本場”の
麻婆豆腐に駆逐され、ごく一部の限られた地域に
のみ残ったのではないかと。

そして今回、その飛び地が浅草にあることがわかり、
「隠れキリシタン発見」ならぬ「隠れからし焼き発見」
となったことは、この仮説を証明するものになりは
しないかと思うのです。

この翌日、私はもう一度この店を訪れ、
スタミナ豆腐(からし焼き)とメンチカツを食べました。

ひとつ、確認したいことがあったのです。

帰り際、この店の主人にひとこと尋ねました。
このスタミナ豆腐はいつからあるのですか、と。

「ずっとです、ずっと昔からあるんですよ」。




「スタミナ豆腐」
十条の「からし焼き」と同じ姿と味


浅草の北・吉原のほうが近い場所にある
なんでも出す食堂といった感じの店


この店の名物で食べログでもおなじみ
「メンチカツ」


中はたっぷりの肉汁で
とても柔らかく仕上げられている


壁に貼られたたくさんのメニューの中に
「スタミナ豆腐」の文字がひっそりと


カツ丼のご飯抜きとも言える「かつ煮」
これも東京ならではのメニュー


ジャンク一歩手前の
絶妙なうまさ「ソース焼飯」




メンチカツ 800円 かつ煮 900円 
ソース焼飯 800円 ハムカツ 600円



このページのURL:
http://www.totteoki.jp/shibuya/new-ousho.htm


2015・12