渋谷区神泉町23-1


11:00〜15:00
17:00〜19:30
日祝休
地図はここ

閉店しています。

肉の、とくに脂身のうまさは特筆ものです。

「ウチは40年前からずっと黒豚なんですよ。
 まだどこも黒豚なんて言ってないころからずっと。」

そう語るおばあちゃんがひとりで切り盛りする
とんかつの店。

新旧の山手通りが分離するための立体交差の陰に
隠れるような場所にある小さな店で、座席は座敷と
土間のテーブルを合わせて10人ほど。

お世辞にもきれいとは言えず、昨年末(2006年12月)には
暖房が故障していたりと、なかなか快適とは言えない
店ですが、それでも1,000円前後で食べられるこの肉の
味を知ってしまうとついつい立ち寄ってしまいそうな、
そんな店です。

写真の通り、ケチャップでからめたスパゲティが
なんともレトロな雰囲気を醸しだすとんかつ定食。

しかし、ソースは自家製でさらっとしながら滋味深く、
少しだけ甘め。歴史ある店のソースというと、つい
どろっとした濃厚な味を思い浮かべてしまいますが
どうしてどうして現代的な“理性的な”ソースなのです。

通常のとんかつ定食が900円、上とんかつ定食が
1,000円、そして特上とんかつ定食が1,100円となって
いますが、おばあちゃんに聞くとこれは単純に肉の
量の違いだけとのこと。
カウンターに鎮座する黒豚の塊から切り取る厚さを変え、
それをもとに大きさを変えているのです。

カツの揚げ具合は少し色が濃いめ。
パン粉をやたら厚く塗りたくってサクサク感を強調する
ような最近のとんかつ屋に見られる下品さはなく、
肉の厚みからして適切な厚さの衣となっています。

繰り返しになりますが、とにかくこの肉の、とくに脂身の
うまさは特筆ものです。
渋谷駅から、とは言いませんが、少なくとも神泉駅から
歩いて食べに来る価値はあると言えるでしょう。

ただ、問題はできあがるのに時間がかかること。

おばあちゃんひとりで切り盛りするのですから仕方が
ないですが、着席から料理が出てくるまで30分は
覚悟しておいたほうがいいでしょう。

新聞や読みたい本を持参しじっくり腰を据えて読むか、
愉快な会話が続く相手を連れて行くのがお勧めです。

また、おばあちゃんの会話をどう感じるかによっても
この店の印象はかなり違ってくることでしょう。
店の説明やメニューの解説など、問わず語りで我々に
聞かせてくれるのですが、これをよけいな“講釈”と
感じる人もいるかもしれません。

ひとの話を聞くのが好きか、年寄りの話をうまくあしらう
技を持っている人にとっては、ここは素晴らしい店だと
感じられることでしょう。
一方、ここのおばあちゃんの話に腹を立てるようでは
人間として度量が問われる、といえるかもしれません。


なお、二回目はおばあちゃんの勧めにより、Aランチ。
エビフライが二匹と直径5cmほどのヒレカツが二個。
エビはちょっと小ぶりながらぷりぷりとしておいしく、
ヒレカツは肉が柔らかくしかししっかりと“立っている”
印象でした。これもまたおすすめです。

とにかく、この肉でこの値段はなかなかありません。
時間と心に余裕のある時に、一度行ってみることを
強くお勧めします。






40年前からという黒豚の肉、
とくに脂身のうまさは特筆もの



ケチャップでからめたスパゲティなど
見た目はレトロなトンカツ定食だが


カウンターの上に鎮座する黒豚
毎回、注文ごとにこの肉の塊を切る


山手通りの陸橋のわき
のれんが裏返しの日も



Aランチ(夜もある)は
エビフライ2匹とヒレカツ2個



ヒレカツの断面
しっかりした肉がわかる



特上とんかつ定食 1,100円 上とんかつ定食 1,000円 とんかつ定食 900円
Aランチ 900円(昼) 1,350円(夜)



このページのURL:
http://www.totteoki.jp/shibuya/tonshizu.htm


2007・1