渋谷区道玄坂2-14-18
03-3464-6574

17:00〜24:00 土日祝休
地図はここ


“渋谷にはいい焼鳥屋がないなぁ。”

これがずっと悩みでした。

しかし、渋谷の奥の奥。まさかこんなところに、と
思う場所に、本当にいい店がありました。
料理がうまく、雰囲気がよく、心からくつろげる店。

ただこの店、
“女性同士でも、ひとりでも気軽に入れる貴重な店”と
ガイドブックやYahoo!グルメに紹介されていますが、
それは間違い。

店の問題ではないのです。
問題は、店のある「場所」がすごすぎるのです。
この店があるのは百軒店(ひゃっけんだな)の最深部。
ストリップ劇場に風俗店がたちならぶ、渋谷でも最も
ディープな地域の、さらにいちばん奥にこの店は
あるのです。

でも 、一歩入ってしまうと大丈夫。
あたたかな雰囲気の店の店員は女性ばかり。
“女性同士でも、ひとりでも気軽に入れる貴重な店”
という言葉に偽りはありません。飲んでいると、ここが
渋谷の最深部であることすら忘れてしまいそうです。

店の造りは古く、店そのものが古民家のようです。
10席ほどのカウンターと、奥に2卓、10人も入れば
いっぱいになる座敷。座敷には時計職人から
プレゼントされたという古い振り子時計があり、
時が止まったようなこの店に、最初からあったかの
ようにしっくりとなじんでしまっています。

焼き鳥そのものも丁寧に仕込まれたもので、火は
もちろん炭火。なかでも、ねっとりとした食感の
鳥肝(レバー)と、丁寧なつくりのつくねのうまさは
出色で、この店の実力を如実に物語っていると
いっていいでしょう。

焼き鳥以外では、特製湯豆腐がおすすめ。
これは、自家製の鳥スープを贅沢につかったもので、
豆腐を食べるというより、スープのうまさを豆腐で
堪能するといった感じ。鳥そのものに自信があるから
こそできるメニューでしょう。

とにかく、最初に行くのは度胸がいりますけど、
一度なじんでしまえば、こんなにくつろげる店は
なかなかありません。
ぜひみなさんも、のぞいてみてください。


ところでこの店、2005年初めから半年ほど休業して
いました。店を守っていた女将さんが体調を崩し、
その後、なくなられてしまったのです。

もともと、ご主人が開いたこの店を気丈に守ってきた
女将さんだっただけに、女将さんの死はそのまま
「鳥清」の存続の危機になりました。

長い沈黙。
当時、こうした事情を知らなかった私は、ずっと
閉まったままのシャッターを見ては、もうだめか、と
諦めかけていました。

そして6か月近くたった2005年6月6日。
「鳥清」は営業を再開します。

跡を継いだのは27歳の娘さんでした。

親から子へ、命がバトンタッチされていくように
両親の想いがいっぱい詰まった「鳥清」もまた、
しっかりと受け継がれて行くことになったのです。

渋谷の片隅にひっそりと咲く、美しき物語。

私たちがこの店を訪れることは、この美しき物語の
脇役を演じる、ということなのかもしれません。





どこか懐かしい感じのする店


カウンターから見上げた品書きの札


ねっとりとした食感が
絶品のレバー



ピーマン肉詰めをこの店ではつみれと呼ぶ
絶品


座敷の壁に張られた写真には、
この店を開いた主人と女優・島田陽子が



最近見なくなったピンク電話
しかもダイヤル式。


やき鳥 330円(二串・以下同) つくね 330円 軟骨 330円
はつ 300円 砂肝 300円 鳥肝 300円 ぎんなん 400円
特製湯豆腐 450円



このページのURL:
http://www.totteoki.jp/shibuya/torisei.htm


2003.12写真追加