渋谷区桜丘町

18:00〜26:00

地図はここ

  要予約・要紹介者です。


大トロってほんとうにうまいのか?

なぜ東京の連中はここまでマグロが好きなのか?

九州人の私にとって、このふたつは大きな謎でした。


大トロなんて単に脂(fat)の舌触りがいいのであって、
それは豚バラや牛の脂身がうまいのと一緒。

最近の、大トロをこれ見よがしに出す店は、アナゴ
一匹をすし飯に載せて「豪華」と称する店と同じで、
それはもう、けっこうな“下品”にしか思えないのです。

しかしこの店のマグロは、その疑問に明快な答えを
出してくれました。

この店のマグロは、キュッと身が締まった中トロ。
一見、赤身に見える深い紅色の身は、密度の高い
組織をじゅうぶんに感じさせる歯ごたえです。
少し筋はあるものの、身がおいしければそれは
ちょっとしたアクセントにしか感じられないから
不思議です。

やっぱり大トロなんて下品---。
この店のマグロはそれをはっきりと証明してくれると
同時に、マグロがうまい理由をわからせてくれました。

この店の場所は、セルリアンタワー東急ホテルから
さらに少し登った桜丘町。
注意して歩かないと間違いなく通りすぎてしまうような
簡素な構えの玄関をくぐると、8人がけのカウンターに
小さめの座敷がひとつ。靴を脱いで上がることで、
リラックスできますし、店内は清潔が保たれています。

寿司屋の数と質は、そのまま街のポテンシャルを
反映するようで、渋谷ではこれまで納得できる
寿司屋を見つけ出すことができませんでしたが、
ようやく見つけた気分です。

この店のシステムは基本的におまかせ。
最初に刺身がつまみたければ刺身から、初めから
握りを味わいたければ握りからという希望さえ言えば
あとはその日のネタのなかから選んで行ってくれます。
酒を適当に飲んで、15,000円といった感じでしょうか。

マグロのほか、イカには柚子の粉が散りばめられて
いたりとか、コハダには白板昆布の小片があしらわれて
いたりとか、さりげない“仕事”も施され味も文句なし。

コストパフォーマンスでは豊洲の「次郎」に譲りますが、
店の雰囲気、作りの丁寧さ、そして渋谷にあることを
考えたら、いい選択肢だと思います。
大切なひととのひとときや、大事な話をするときに
選ぶべき店だと言えるでしょう。

ただ、この店は一見お断り・要紹介者ということ
ですので、連絡先・住所は掲載しないことにします。
金額的にも、簡単に入れる店ではありませんし。

もし興味のあるかたは、周囲で常連客を探すか
にお尋ねください。もし私があなたを紹介しても
大丈夫だと判断すれば、喜んでお教えしますので。






密度の高い、うま味のある中トロ
脂身の大トロよりかなり上品だと思う


8人がけのカウンターに座敷がひとつ
非常に簡潔で居心地がいい

いかひとつにも柚子の粉が
まぶしてあったりと手抜きがない


コハダの上に白板昆布の小片が乗る


霧多布のウニの美しいこと





おまかせで15,000円から(酒込み)



このページのURL:
http://www.totteoki.jp/shibuya/toyonaga.htm


2006・6